「スピリチュアル・ヒーリング」 ベティ・シャイン著より抜粋
ベティ・シャイン
1929年英国ケニントンに生まれ、幼いころから透視や予知能力などの超能力を発揮する。
さまざまな超常現象を体験し、「心のエネルギー」によって人を癒す力を身につけた。
有能な霊能者との出会いを経て、自分が治療家であることを自覚する。自分の特殊な能力を用いた治療活動を通して、すべての人間が持つ心のエネルギーの素晴らしさを示し、患者の自己治癒力をも喚起する、新しいタイプの治療家である。
【肯定的な態度を身につけること】
自由な心になるには肯定的な姿勢を身につけるのが一番である。肯定的になっていると、心のエネルギーは自動的にやすやすと流れる。
否定的になっているときは心のエネルギーは内部に引っぱりこまれ、脳や体を押し縮めている。
脳はうまく機能しなくなり、思考は混乱し、正常な化学変化が起こらなくなる。
結局のところ、あなたの心を支配してるのはあなた自身であってほかのだれでもない。
答えはあなた自身の中にあるのである。肯定的な態度が身につくにつれ、しだいに自分の運命を思い通りにすることができるようになる。生来の才能が前面に出てくる。
決断をするのが容易になり、生きること自体が楽になってくる。感情の起伏が少なくなり、だれにも心の安定をおびやかされることがない。
肯定的で平静でいることは、生まれつき心配性の人にとっては至難の業である。
しかし、私は自信を持って言うが、否定的な態度を肯定的な態度に変えることは可能なのである。
否定的なことが頭から離れなくなったら、考えるのを中断するとよい。失敗してもくよくよしてはならない。もう一度、それがだめならもう一度、それでもだめならさらにもう一度挑戦してみるのである。あたってくだけろの精神でいると、いつしか肯定的な態度があなたの人格の根幹となる。
人と人との関係はいいときもあれば悪いときもある。
どんなときでもあなたはいつものあなたであり、心は安定している。とはいえ聖人である必要はない。
ちょっとの間あなたを怒らせたり、悲しませたり、残念がらせたりする人は必ず出てくるものなのである。あなたが怒ったり悲しんだりするのは自然である。けれども、そういう否定的な反応をした場合、それが長引いて生活に支障をきたすようなことがあってはならない。
あなたを幸せにする人も出てくるだろうーーこれは予期しない贈り物である。けれども、他の人と喜びを分かち合うことはあっても、他人に頼らなければ幸せにならないということはない。
誰をも、どんなことも、恐れてはならない。恐れは自分で考え、筋道だった振る舞いをし、大切な決断をするの能力を破棄する。恐れがあると他の人に自由を奪われてしまい、本当の自分の考えを口にする勇気がなくなる。
また、あなたがするべきこと、してはならないこと、あなたのあるべき姿を人に描かせてはならない。勇気を出して、どんな人生にしたいかは自分で決めなくてはならない。
あなたが望んでることはあなたしか知らない。あなたの望みは、あなたのつれあいや友だちの望みとは違うだろう。もしあなたがいいと思うことのために努力しないならば、進歩がないだろう。
毎日の生活がつまらなくとも、自分には他の人にはない面があると思うとおもしろくなってくる。あなたという人は他にはいないのだ。だから自分を取るに足らない存在だと思ってはならない。他の人の機嫌を損ねまいとその人の言うがままにしていると、お互いが不幸になるだけである。勇気を奮い起こして自分に忠実に振る舞い、肯定的な態度を維持するようにしなさい。
ねたみもきわめては破壊的で否定的な感情である。そして一番怖いのは憎しみである。
もし誰かから耐えがたい不快感を与えられたら、それを自分の心の糧として、あとは忘れてしまいなさい。
自分が憎しみを抱いてることを認め、憎しみの情を体験しなさい。が、いつまでも憎んでばかりいてはいけない。心のエネルギーは心の奥に引っぱられ、潜在意識に押し込まれる。そのことによって脳や体が大きな損害をこうむることが分かれば、そうした感情を即座に追い払いたいと思うようになるだろう。
人生はすべて挑戦である。ひとたび新しい楽観主義な見方をすることができるようになれば、自由になった心は宇宙の心と合体し、潮の満ち引きにように引いたり満ちたりする。
あなたの直感はなにものにも劣らない。あなたは直感的に正しいことを言ったりしたりするようになるだろう。どんなことも容易に自然に起こるだろう。どんなことも霊界と密接なつながりを持っており、自然や宇宙と呼吸を合わせられる。意識が広がっていくと、あなたはあなたのすべての活動ーー仕事であれ遊び遊びであれ背後にある宇宙的な駆動力と結びつくようになるだろう。
直感に従うようにしなさい。自分の直感がどれだけ正しいかを知ってびっくりするだろう。
<悩みを書き記す方法>
憂鬱や否定的な感情を取り去る方は、洗いざらい書き記すことである。
不幸・ねたみ・憎しみ・絶望・嫉妬・うらみ・復讐ーー心の中にたまったこれらのことを紙の上に吐き出すのである。こういう感情を持ってることを白状することを恐れてはならない。
人は一人では生きられない。こういう感情にしろもっとひどい感情にしろ、それは生きておれば状況に応じて心の表面に浮かび上がってくる自然な感情なのである。
どんなことを書いても読み直してはいけない。私たちはちょうどコンピューターのようなもので、書いたものを読むとまた蓄積されてしまう。書いた紙は細かくちぎってビスケット缶のような容器に入れ、火をつけなさい。暖炉や庭でもやすのがよい。
すべてを灰にしてまた人生をやり直すのである。また他の人に言いたいがなかなか言えないとか、相手が傷ついてしまうというような事柄を厄介払いするのにも有効である。
自分の中でたまるがままにしておくと身も心も病気になるのが落ちである。不必要な苦しみは洗い流しなさい。そうすると自分の人生を思い通りにすることができるようになるだろう。
【心を広げる】
私たちは霊的な事柄にふれる機会がますます少なくなってきていると心の奥底で感じている。自然の猛威を目のあたりにすることが必要であり、それとともに目に見えぬエネルギーを利用することも必要である。
この現実界の背後には目に見えぬ広大な世界がある。人は誰でもあの広大なエネルギーの貯水池からエネルギーをくみ出すことができる。
そうしたエネルギーは、霊界にいる人々によって作り出されてると私は考えてる。
エネルギーをくみ出すには、知識によって心を広げたり強めたりするとか、落ち着いたときに瞑想するとよい。いちばんいい瞑想のやり方は夢想にふけることである。
心がいきたいところへ行くにまかせているとき、緊張を解いて楽しんでいる。
どんなに病が重くとも夢想にふけることはできる。夢想にふけっていると心のエネルギーは体から外へ向かって投射され、憂鬱の原因であった脳への圧迫が取り除かれる。
想像力を働かせるだけでなく、機会をとらえては散歩したり外ですわったりし、木々や空を眺めなさい。
<宇宙の中心への旅の瞑想>
静かに座り、深く息を吸い、緊張を解きなさい。
次に一人乗りの宇宙船をありありと思い浮かべなさい。それは小さなレーシングカーのようで、透明なふたがついている。
その宇宙船に乗り込み、頭上のふたをし、完全に外から遮断された状態になりなさい。中は空調設備がしてある。飛んでいると涼しくてさわやかなジェット気流を感じることができる。
ゆったりとした気持ちになり安全だと感じなさい。宇宙船はしだいに地面を離れていく。宇宙に向かって飛び立つ。外を見ると星の群れが次々と通りすぎていく。
そのうち遠くに小さな白い光が見える。それはどんどん大きくなり、ついには視野いっぱいに広がる。この光のところまでくるとトンネルがあるのが見える。宇宙船は自動的にその中に入っていく。
少し進むと丸天井のある大広間に出る。友達か案内人が出迎えてくれる。
その案内人は宇宙船のふたを取り、手を貸しておろしてくれる。これは治療エネルギーである。あなたはこの部屋の中央に座る。そこでこのエネルギーを吸収する。
しばらくすると、案内人に連れられて、賢人たちが半円を描いて座っている大きな部屋へいく。
あなたは賢人たちと向き合って部屋の中央にすわる。完全に穏やかで満ち足りた雰囲気であることに気づくであろう。
この霊的に進歩した人たちからテレパシーによって知識を吸収することになる。
後で必要な意味が明らかになることもある。しばらくすると、案内人が丸天井の広間に連れ帰ってくれ、宇宙船に乗り込ませてくれる。宇宙船はトンネルを抜け、また宇宙へ戻る。地球からの引力にどんどん引っぱられ、安全に地球に戻る。ふわっと着地する。降りて10分ほどじっとしていなさい。
<オーラの卵>
敵対関係にあるとか自分と合わないという人と一緒に生活したり仕事をしたりしなければならない場合がある。望ましくない影響を外から受けないようにするための安全な方法である。
大きな卵を想像しなさい。中へ入ることができるぐらい大きな卵である。それにはドアがあり開けて中へ入りなさい。湾曲してる床にクッションを並べて平らにし座るか横になりなさい。
目を閉じ緊張を解きなさい。
卵の外側の殻が堅くなっていくのを思い浮かべる。堅くなっていくのを意識するというぐらいでよい。どんなものも通らないと分かったら、想像をやめて5分間ゆったりとくつろいぎなさい。
そのあと立ち上がったときあなたは何の心配もなく自分の義務を果たすことができるようになっている。満員の電車に乗ってるときもこの行は効果がある。
<心で治す部屋>
病気のときストレスに苦しめられてるときに不安感を積極的に取り除く方法である。医者の治療の補いとして用いてもいいし、軽い病気の場合はこれだけでも治る。
緊張をとりのぞき、あまり長くない廊下を想像しなさい、廊下のつきあたりには、あなたの好みの色のドアがあり、あなたの名前が書いてある。その下に「心で治す部屋」と書いてあって、このドア鍵を持ってるのはあなただけである。鍵を開け中へ入り、内側から錠をおろしなさい。
中はあなたの好きな部屋で、大きくはないが居心地がよい。棚やタンス、戸棚つきのテーブルがずらっとある。大きな肘掛け椅子もある。自分の好きなように変えていい。
戸棚には飲み薬、水薬、クリーム、錠剤などが入ったビンがあって、治療に必要ななものすべてが置いてある。中に何が入ってるかわかるようにラベルも張る。
「頭痛薬」「消毒用クリーム」副作用のない「強壮剤」「鎮静剤」・・・容器に名前を書いたとたんに中にはその薬が入っている。必要に応じて薬を創り出しなさい。これらの薬はありありと思い浮かべなさい。
薬を飲んだり、治療したりする状況を想像し、その後に椅子に座りなさい。
今やあなたは、自己治療のプロセスが始まったということを心の中で感じる。自己治療が間違いなく起こるようにするのに必要な化学物質が体内に放出したのである。
十分に休息を取ったら現実の部屋に戻り、仕事なり家事をしなさい。もしベットでこの行をすれば、すぐに寝付くことができるだろう。心悸亢進とか喘息の発作といったパニック的状況を鎮めるにもこの行が有効である。薬の棚からしかるべき薬をとってきてすぐに応急処置をすることができる。
行の効能はてきめんである。