江原啓之 スピリチュアル・ヴォイス2006
         〜苦難の乗り越え方〜  H18、6、22 新潟会場 

 

昨年の長野講演から、二度目になる江原さん講演会。
今年は、妙な「選ばれるぞ。」という思い込み、先日のニュースで、またも自殺者数が8年連続で3万人を超えたと聞き、悲嘆にくれる遺族が多い中、自分が選ばれる必要があるという思いでした。

 

会場に着く直前、新潟駅から乗せて下さったトトロさんの車の中での出来事。

隣の車線を走るバンの車体に、「料亭 あずき」の名が・・・。

それを見た友人と、このHPの管理人のみえこさんが「あ〜今日、あずきさん、公開カウンセリング、選ばれるんだよ!これはシンクロニシティー?」そのインスピレーション、本物だったのですね。

 

座席数900近い会場の中、第二部、公開カウンセリング。

26年前、息子さんを亡くされたお母さん(何人かいる兄弟が全てバラバラで、お互い顔を合わせれば、批難ばかり。精神に不調をきたす娘さんも。)家の中が、もう26年前からずっと、喪中の状態だという。自分も変わらなければ、24年後、同じなのだ・・・と思って聞いてました。

 

そして5人目。自分の名を呼ばれた瞬間、私は声も出ず、隣のみえこさんと腕をガッシ!と取り合い、感動で顔を見合わせました。

14歳の息子さんを亡くされたと説明する江原さんの声に泣きながら、でも感激してステージに上がりました。

(やった!息子よ。出て来てくれた。こんなに多くのお客さんの前に。

恥ずかしがりで、無口な性格だから、期待はしても、無理かな?と思ってはいたのですが。)

 

江原さんの横に座るやいなや、「今日ね、息子さん、来てますよ。」と。

そして、スカート姿の私の足元をご自分の肩から下がった豪華な衣装を掛けて隠して下さいました。

喜ぶのも束の間
「息子さん、お母さんの口から『許す』と言って欲しいって」

 

許すって?自分を責める私が、息子を責める・・・?どういう意味なのかわかりませんでした。

息子の死。その瞬間から、膨大な自責の念に囚われた私。
全てが自分のせい、育て方が悪かった、愛情が足りなかった、長男ゆえに厳しく言い過ぎた、
離婚後の生活から淋しい思いをさせ逃げ場の無い状況に追い込んでしまった等々・・・
長男の誕生の瞬間まで遡り、生まれ出たあの時、私がすぐに胸に抱き取らなかったから・・・
愛を感じられず育ったのだ、とまで。

ありとあらゆる後悔。マイナスの感情と知りつつも、その思いにいつも苛まれていました。
最近は特に落ち込みがひどい状態でした。

が、それは今や、息子を苦しめる感情だったのです。

「お母さんに『自分のせい・・・』といつまでも思われていると、辛いって。」

「いつまでも、いつまでも、あぁ、お母さんが悪かった、ごめんね、ごめんね・・・って言われ続けたら、いやでしょ?逆の立場だったら、責められているみたいに感じるでしょ?皆さんそうでしょ?」

全く思ってもみなかった事を告げられ、ポカンとする私を江原さんは、真顔で叱って下さいました。

 
私の愛情は感じていたんでしょうか・・・」と聞くと、

「お母さんの愛情は充分感じていた。お母さんは、ちゃんと良くしてくれた。充分な事をしてもらった。と言ってますよ。」

 

あの時は、色々葛藤していたのだ、と。自分は、なぜ生まれてきたのか?どうしてこの家族の中に生まれたのか?人間関係や色々な事に。考えて、考えて、考えすぎた。物質的価値観を求めて生きていくのがいやだった・・結局、逃げてしまった。

霊界に来て、とても苦しんだ。自分の人生で、なすべき事を思い、苦しかったけれど、曽祖父ちゃんに助けられ、諭されて、今は落ち着いた。今はもう大丈夫なのだと。

今は勉強しています。とても、分厚い本を出して見せている。

 

「あの世とこの世で、それぞれが、どれだけ一生懸命生きるか、競争ですよ。」と江原さんは笑顔で一生懸命に励ましてくださいました。

 

あの日以来、失った最大の生きがい。それは息子二人を立派な大人にする事でした。
でも今は、どう生きていっていいかわからず、残りの人生に意味を見出せず、早く終わる事を望んで過ごして来ました。

一人残った次男を悲しませる事だけは出来ないと思うだけで、生きているだけ、の落ち込みの波に、たびたび呑み込まれ・・・
でもそれは、自分自身の甘えでもあると、

はっきりと目が醒めました。

息子の魂の幸せを願うのであれば、負の思いを捨て、これからの自分の人生を充実させ生きなければ・・これが、転機と感じました。

 

息子が、霊界で何を学んでいるかについては、きっと将来、私にも分る時が来ると思います。

しっかり叱りながらも最後に「大丈夫、がんばって」と肩を抱いて下さった江原さん。
その優しさが、身に染み、息子の優しさでもあるのかもと思い・・・ただただ、感激で涙しました。

こんな体験はもう2度とないと思いますが、偶然はなく必然であるという江原さんの言葉を胸に、
息子からの言葉を一生大切にしながら前を向いて生きていこうと思います。
そして、この内容が多くの自死されたお子様の親御さんの心に響きますことを祈らせていただきます。

江原さん、ありがとうございました。